本文に入る前に、私の自己紹介をさせてください。
はじめまして、シンギュラリティバトルクエストのインターン二期生の佐藤汐夏(さとうきよか)です。出身地は北海道(出生は熊本県)です。現在、日本工学院専門学校AIシステム科の1年生です。ペンギンが大好きで、水族館や動物園によく行きます。
石巻ハッカソンは、地方部・都市部を問わず、若者が出会って学び、働ける環境を提供するイベントとして知られています。『出会い・学び・表現』を軸として、2012年から開催されており、今年で第10回目となります。今年のテーマは『未来』でした。1秒後も今から見れば未来だし、なんだかすごくアバウトなテーマだなと思いました。
1日目の開会式は寸劇から始まりました。内容は、未来から来たイシノマキマンが、過去人にりんごマークのアレを渡し文明開化が起きるというものでした。敢えてチープな演出をすることで、これくらいのゆるさで参加していいのだなと会場の緊張が和らぎました。ちなみに寸劇は毎年恒例とのことです。
開会式の終了後はハッカソン部門のチームビルドの時間となりました。アイデアを持っている人が前でその内容を紹介し、興味を持った参加者が集まってチームを形成します。私はIT BootCamp部門の参加者でしたので、オリジナルゲームの制作をメインとしていましたが、他の部門のアイデア発表も非常に興味深く、次回はハッカソン部門に参加して、すごい人たちと一緒に1つのものをつくってみたいと感じました。
IT BootCamp部門では、Jasmine Teaというプログラム言語を使って、3日間でオリジナルゲームの制作を目指します。Jasmine Teaというのは、初心者や中高生向けに今年の春から提供が始まったプログラミング言語です。シンプルな文法で分かりやすく、Webブラウザーで完結しているので簡単に始めることができます。1日目は主にチュートリアル教材の取り組みで、あっという間に時間が過ぎました。この言語は私にとって初めての経験でしたが、直感的に理解しやすかったです。
2日目は朝から夕方まで独自のゲーム制作に取り組みました。私は、ライフを維持しながら高得点を目指すタイプのゲームを開発しました。プログラムを少しずつ組み立てていく過程で、ゲームが形になっていく楽しさを感じました。「キャラや背景がかわいくて、世界観が分かりやすくていいですね!」や、「その動きはどういうプログラミングですか?」など、ほかの参加者と作品を見せたり、お互いにアドバイスをしたりして、作品のクオリティを高めていくことができました。みんなで良い作品をつくろうという雰囲気がいいなと思いました。
3日目は、午前中にゲームの最終調整を行い、午後からは展示会が開催されました。各部門の参加者が制作した作品を展示・紹介しました。私のゲームも多くの人に試してもらい、「面白いからずっとやれる」という言葉をいただき、ゲーム制作は初めてで自信がなかったので嬉しかったです。
同じチュートリアルを学んだため基礎は同じなのに、ひとりひとり全然違うゲームができていて、改めて、プログラミングってできることの幅が広くて面白いなと思いました。私は今回が人生初のハッカソン参加でした。初めは不安もありましたが、参加者同士の交流や制作の楽しさを感じながら、充実した3日間を過ごすことができました。特に、参加者同士の絆や連帯感を強く感じ、石巻ハッカソンの魅力を実感しました。
来年は、2024年10月12日から14日の開催を予定しているみたいなので、みなさんもぜひ石巻ハッカソンに参加してみてはいかがでしょうか。
今回、取材させていただきました『石巻ハッカソン2023』は『シンギュラリティバトルクエスト』と同様に株式会社PE-BANK様の協賛で開催されました。
PE-BANK様は日本の深刻なIT人材不足にチャレンジするために『PE-BANKネクストイノベーター支援プロジェクト』というCSRプロジェクトに力を入れていることを知り、私たち未来のエンジニアにとって、とても頼もしい存在だと改めて認識しました。
そして、会場にはPE-BANKの代表取締役社長の髙田幹也さんも駆けつけてくれて、なんと!お揃いのイベントパーカーで記念写真を撮らせていただきました!
髙田社長、そしてPE-BANKのみなさま、貴重な体験をありがとうございました!
特命インターン記者 佐藤は、なんと今回、株式会社イトナブ代表取締役社長の古山隆幸さんにインタビューをさせていただきました。
石巻ハッカソンのことや古山さんの理念がよく分かる内容になっていますので、最後までお読みください。
石巻ハッカソンを開催する目的はなんですか?
地方でも若者たちがプログラミングを学ぶきっかけをつくりたかったのが最初の考えです。実体験から言えることですが、私はサッカーが好きで、プロの選手を見たときにすごくてもっと練習しようと思いました。同じように、プログラミングも学びの中で優れた人々と出会うことで、学びのモチベーションにつながると考えました。そのため現在は、『出会い』を重要視して開催しています。
石巻ハッカソンを今後どうしていきたいですか?
今まで通り、出会いと学びを中心に開催しているイベントなのでそこは変えずにいきたいです。どうしていきたいかで言うと‘より多くの出会いと学びに出会える場づくり’ をしていきたいです。
ハッカソンが持つ社会的・ビジネス的価値はなんだと思いますか?
ないです。イベントには意味はなくて、参加する人たちがどういう意味を作るかということだと思っています。他のハッカソンはそういう価値も多いですが、石巻ハッカソンは社会的とかではなく『出会い』です。
他のハッカソンは発表会形式ですが、石巻ハッカソンはなぜブース展示形式をとっているのですか?
ブース展示形式にすることでチームのみんなが話さなければいけないので、そこで『人との出会い・言葉の出会い・場所の出会い』など色んな出会いに出会ってもらいたいからです。
ブース展示形式は第1回からずっととっているのですか?
実は昔は発表会形式で石巻の海産物を賞にしていました。しかし、回を重ねるうちに、参加者が満足しているのは人との出会いなんだなと思い、今の形式になりました。
実際にブース展示形式にしてから何か手ごたえはありましたか?
参加者みんなが満足して帰るようになりました。石巻ハッカソンはやはり出会いと学びなので、『ここで得るものがとても重要で、それがみなさんにとっての賞品』だと思っています。
今回は『未来』というテーマでしたが、抽象的なテーマを選ぶのはなぜですか?
毎年抽象的なテーマにしています。最大限、モノづくりにコミットしてもらいたいからです。テーマを絞ってしまうとそっちに向かってしまうので、そうではなく、みんなで想像したり考えて模索したりしてもらいたいと思っています。
開会式で寸劇を行うことには何か意図がありますか?
アイデアを思いつくタイミングはいつだと思いますか?
アイデアというのはいつ出るとかではなくて、出すきっかけがない、自分の引き出しの中のインプットが少ないのだと思います。疑問だとか経験が自分の引き出しの中に入っているほど、アイデアが出やすいと私は考えています。
これからハッカソンに参加してみたいと思っている人にメッセージをお願いします。
ぜひ石巻ハッカソンに参加してください。賞品・賞金がないのでゆるく参加できます。ちょっと技術がないと参加できないんじゃないかなと思うかもしれませんが、石巻ハッカソンは『出会い』が中心なので、すごい人と触れ合ってみたいなだとか、それくらいの気持ちで参加しに来てください。世の中は思っている以上にかっちりしていなくて、意外と受け入れてくれます。大人は若者のわがままを聞いてくれるので、逆手にとってたくさんわがままを言ってみてください。参加をお待ちしております。
話をうかがってみて、古山さんがいかに『出会い』を大切にしていて、そのために今の石巻ハッカソンがあるのだなと思いました。
今回は貴重なお時間とお話を、ありがとうございました!